My Favorite Things

好きな曲とか

The Crash at Demonhead/black sheep

今回は、Metricの、というか「The Crash at Demonhead」の「black sheep」。
youtubeにMVは上がってますので各自探してください。それで別の窓でかけながら聞き始めてください。

それで、どこから話せば良いのか……、「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」という映画がある。
原作はカナダのコミック、「Scott Pilgrim」、この映画とコミックが大名作。
ヤバいダメ男のスコット・ピルグリム君は、新しく街に来たラモーナに一目惚れ。
だがラモーナと付き合う為には、七人の邪悪な元カレを倒さなければならない!
という設定。

コミックは、日本の漫画の影響を強く受けて書かれている。
日本のゲームの効果音やネタが随所で使われててアメリカないしはカナダのオタクはこれ見てニヤリとするんだろうか、と思う。

例。
唐突に、ドアの所に何か光ってて「あれ何だろ?」って訊いたら仲間たちが「セーブポイントだろ」って教えてくれる。「ええっ?マジかよ。だったらセーブしないと」って焦りだす。

突然ライバルの毛が逆立って光りだして、スーパーパワーで吹き飛ばされる。「なんなんだアイツは!」敵が曰く、「彼はヴィーガン(絶対菜食主義者)なのよ」

……わかる?
これ本編でも説明ないんだけど、サイヤ人にかけたネタ。カナダでわかる読者いるんか?

なお敵キャラは倒された時は当然のようにコインを落とす。スコットは「やったー、コインだー」と言って拾い始める。たまに1upをおとすことも。
てゆーかアメリカではティーンのガールに大人気だったらしいのよ。信じられない。

劇中に出てくるモントリオールの売れっ子バンドが「The Crash at Demonhead」。
「The Crash at Demonhead」はかっこいい名前だけど、日本の大昔のテレビゲーム「電撃ビッグバン!」の北米版の題名のパロディ、というギャグ。
ちなみにこのゲームは七人の幹部を倒してボスと戦うっていう設定で、スコット・ピルグリムの元ネタと言えなくもない。
この漫画のバンド名は他のもゲームのタイトルやゲーム用語から取られている。主人公のバンドの名前は「Sex Bob-Omb」。Bob-Ombはマリオに出てくるボム兵のこと。
まあともかく漫画も映画も面白いので見てほしい。漫画は長いので新規には映画を勧めるかな…、私は漫画から読んだけど。


「The Crash at Demonhead」の話に戻る。
バンドの構成はベースとドラムとボーカル。ボーカルのエンヴィーはキーボードもできる。
珍しいことに、ロックバンドなのにギターがいない。
ギターは、念力で鳴らしています(とwikiで読んだ。たぶん公式設定)。


ボーカルが主人公の元カノで、歌も元彼に遠くから愛を送る、という内容になっている。「あなたって酷い男」ってメッセージも込めながらね。
ちなみにボーカルのエンヴィーを演じているのは自身もシンガーソングライターのブリー・ラーソンです。

サウンドとしては単純な伴奏がひたすらにかっこいい曲。
和訳を載せているサイトが見つからなかった。自分で訳。それと歌詞。


Black Sheep
黒い羊

Hello again, friend of a friend, I knew you when
また会ったわね、友達の友達、知り合った時
Our common goal was waiting for the world to end
私もあなたも世界が終わるのを待っていたわ
Now that the truth is just a rule that you can bend
今や真実は、あなたが好きに曲げられるルール
You crack the whip, shapeshifting trick, the past again
あなたが鞭を鳴らすと、形が変わる仕掛け、また昔のように

i'll send you my love on a wire
電線で私の愛を送るわ
Lift you up, everytime, everyone, ooo, pulls away, ooo
From you
いつも、誰もが、あなたを、おだてるのでしょうね
あなたから遠く離れて

Got balls of steel, got an automobile, for a minimum wage
度胸あるよね、一番安く自動車を手に入れる方法よね
Got real estate, I'm buying it all up in outerspace
不動産も。私が外宇宙で買って貢いだのよ
Now that the truth is just a rule that you can bend
今や真実は、あなたが好きに曲げられるルール
You crack the whip, shapeshifting trick, the past again
あなたが鞭を鳴らすと、形が変わる仕掛け、また昔のように

I'll send you my love on a wire
電線で私の愛を送るわ
Lift you up, everytime, everyone, ooo, pulls away, oo
いつも、誰もがあなたを、愛するのでしょうね、あなたから遠く離れて
Mechanical bull, the number one
機械仕掛けの牛が、あなたには一番良いんじゃないかしら
You'll take a ride from anyone, everyone wants a ride,
上に乗れれば誰だって良いんでしょうし、誰もがあなたを乗せたがるわ
pulls away, oooh from you
あなたから遠く離れて




あなたは私に貢がせてひどい男だった。車に乗せたり家に泊めたり。
あなたが鞭を鳴らすと、私はすぐ昔のようにあなたに従順になってしまいそう。
あなたのことは好きよ、でも、だから、遠くから愛するわ。電線で愛を送りましょう。あなたから遠く離れて。
私だけじゃなく、みんながそうするでしょう、あなたは尊敬されるでしょう、みんな尊敬するでしょう(そうされればあなたは満足なんでしょう)、あなたから遠く離れて。

元カノからのラブソング。かっこいい……。

題名のblack sheepは何の象徴だろうか。
私はもう、平凡な白い羊じゃないわ。あなたが鞭を鳴らしても、あなたの言うとおりに貢いだりしないんだからね。
ってことかな、と。


さて、映画でお気に入りなのは、コートを預かって床にどさっと置くシーンとか、妹が「ごめんね、うちの兄貴、どうしようもないバカで」って言うシーンとか。
ステーシーとキムが好き。
「じゃあキムとのコトは?」「キムとは今じゃ良い友達だ」って言うスコットをキムがすごい目で見てるとこも好きだなー。

漫画版だと昔の同級生の家に泊まりに行くシーンかな。

夜中に彼女と喧嘩して、家はゲイの同居人が男を連れ込んでいるのでカナダの冬で帰るところが無いスコット。
ついこの前再会した高校の時の同級生から、連絡先を貰ってたのを思い出す。今夜泊めてくれない? って電話する。

「ショッピングモールで久し振りに会った日の事だけど、あの日は洗濯中だったのよ」
「洗濯?」
「服を全部洗濯してたからあんなバカみたいなワンピしかなくて…自分でもどうかと思ってたけどあなたはガン見してくれてた…だからあれからあたし…」
「もしかしていつも着ないセクシーな服をオレのために着てたってコト?」
「うん…そういうコト」
「じゃあ今もセクシー仕様なワケか!ラッキー!」
「もう、バカね。これはただの寝間着」
「そう」
「ウソよウソ。ホント言うと電話もらってから着替えたの。もうやだ売春婦みたい」

って所ね。

なんで彼女と喧嘩したのか聞かれて、主人公が、
「アイツさ、俺たちに何かあるか、何かあったとおもってんだ。なにもないのに…だよな?」
膝を抱いてか細い声で
「あればよかったのに……」
しおらしくこっちを見つめてもう一度言う、
「あればよかった」


クレージーな漫画だと思ってたけど読み返してると案外これラブコメですね、女子に人気なのも納得。