My Favorite Things

好きな曲とか

And death shall have no dominion /そして死は覇者にあらず

And death shall have no dominion. …そして死は覇者にあらず。
弔辞として有名な詩。作者はイギリスのディラン・トマス。合唱曲や朗読がyoutubeにもいくつか。

https://youtu.be/-Ubn4i3T_VQ
Sverre Berghの作曲。かっこいい。

題の訳は「そして死に支配させはしない」など色々あり、解釈によっては新訳もできようが、伝統的な直訳調のものを拝借した。


訳。


And death shall have no dominion.
Dead man naked they shall be one
With the man in the wind and the west moon;
When their bones are picked clean and the clean bones gone,
They shall have stars at elbow and foot;
Though they go mad they shall be sane,
Though they sink through the sea they shall rise again;
Though lovers be lost love shall not;
And death shall have no dominion.

そして死は覇者にあらず。
死者たちは、風と西の月の下で衣服を剥かれて、元が誰であろうとも同じになってしまった。
彼らの肉は食われ骨となり、骨は土となろうとも、肘と足の所には、星々がまだ残っている。
気が触れた者もまた正気にかえる。
海に沈んだ者も必ず浮き上がる。
恋人達が死んでも愛は死なない。
そして死は覇者にあらず。

And death shall have no dominion.
Under the windings of the sea
They lying long shall not die windily;
Twisting on racks when sinews give way,
Strapped to a wheel, yet they shall not break;
Faith in their hands shall snap in two,
And the unicorn evils run them through;
Split all ends up they shan't crack;
And death shall have no dominion.

そして死は覇者にあらず。
一度海の渦の底に長く横たわっていた者達を、渦が殺す事は出来ないように、
腱が切れて刑架の上で身を捩り、車輪に括られても死者達は決して屈しない。
信念が二つに折られ、身体は角の有る悪魔に突き刺され、
全てが砕けても死者達は砕けない。
そして死は覇者にあらず。

And death shall have no dominion.
No more may gulls cry at their ears
Or waves break loud on the seashores;
Where blew a flower may a flower no more
Lift its head to the blows of the rain;
Though they be mad and dead as nails,
Heads of the characters hammer through daisies;
Break in the sun till the sun breaks down,
And death shall have no dominion.

そして死は覇者にあらず。
死者の耳には鴎の声も聞こえない。波が岸に打ち寄せる音もまた届かない。
風に吹き散らされた花は、もはや雨の中で頭を伸ばす事はない。
だが気が触れて、死んで釘のように冷えた者達が、生きていた時の気骨を滾らせ、埋葬された墓の上の花どもを打ち壊す。
日の下で、焼かれ塵となるより前に、彼らは墓を壊し終わる。
そして死は覇者にあらず。





第一連は中原中也の「骨」を思い出す。
第一連の後半の見事な反語。
気が触れた者も、正気にかえる。
海に沈んだ者も、また浮き上がる。
恋人達が死んでも、愛は死なない。
そして死は覇者にあらず。

第二連の、死者は一度死んでいるので肉体的のみならず精神の死さえも超越している。
という考え方は視点としては新しいと感じた。

第三連は谷川俊太郎の「死と炎」を連想させる。
せめて好きな歌だけは聴こえていてはくれぬだろうか、私の骨の耳に。

そして死は覇者にあらず。という、リフレインが、これ以上ないくらいに効いている。



Heads of the characters hammer through daisies;
がわかりにくく海外の詩のフォーラムでも論争になっているのを見たことがある。
前の連に花の話が出てくるので混乱するが、daisiesは
成句のpush up the daisies(墓で、肉が肥料になって、雛菊の生長を助ける)とかunder the daisies(雛菊の生えている墓の下で)を受けた表現としか思えない。
雛菊は墓に植えられる花らしい。
すると後の場面とも合わせて、花が植わった地面を叩き壊して出てくるって事になる。
その場合、hammerは動詞と考えるしかない。
他にも幾つかの解釈が有るらしいが、それらはあまりしっくりこなかった。


この詩を知ったのは「SCP-1958」から。
SCPの話を始めると長くなりすぎるので、今回はしないです。
以上です。

The Crash at Demonhead/black sheep

今回は、Metricの、というか「The Crash at Demonhead」の「black sheep」。
youtubeにMVは上がってますので各自探してください。それで別の窓でかけながら聞き始めてください。

それで、どこから話せば良いのか……、「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」という映画がある。
原作はカナダのコミック、「Scott Pilgrim」、この映画とコミックが大名作。
ヤバいダメ男のスコット・ピルグリム君は、新しく街に来たラモーナに一目惚れ。
だがラモーナと付き合う為には、七人の邪悪な元カレを倒さなければならない!
という設定。

コミックは、日本の漫画の影響を強く受けて書かれている。
日本のゲームの効果音やネタが随所で使われててアメリカないしはカナダのオタクはこれ見てニヤリとするんだろうか、と思う。

例。
唐突に、ドアの所に何か光ってて「あれ何だろ?」って訊いたら仲間たちが「セーブポイントだろ」って教えてくれる。「ええっ?マジかよ。だったらセーブしないと」って焦りだす。

突然ライバルの毛が逆立って光りだして、スーパーパワーで吹き飛ばされる。「なんなんだアイツは!」敵が曰く、「彼はヴィーガン(絶対菜食主義者)なのよ」

……わかる?
これ本編でも説明ないんだけど、サイヤ人にかけたネタ。カナダでわかる読者いるんか?

なお敵キャラは倒された時は当然のようにコインを落とす。スコットは「やったー、コインだー」と言って拾い始める。たまに1upをおとすことも。
てゆーかアメリカではティーンのガールに大人気だったらしいのよ。信じられない。

劇中に出てくるモントリオールの売れっ子バンドが「The Crash at Demonhead」。
「The Crash at Demonhead」はかっこいい名前だけど、日本の大昔のテレビゲーム「電撃ビッグバン!」の北米版の題名のパロディ、というギャグ。
ちなみにこのゲームは七人の幹部を倒してボスと戦うっていう設定で、スコット・ピルグリムの元ネタと言えなくもない。
この漫画のバンド名は他のもゲームのタイトルやゲーム用語から取られている。主人公のバンドの名前は「Sex Bob-Omb」。Bob-Ombはマリオに出てくるボム兵のこと。
まあともかく漫画も映画も面白いので見てほしい。漫画は長いので新規には映画を勧めるかな…、私は漫画から読んだけど。


「The Crash at Demonhead」の話に戻る。
バンドの構成はベースとドラムとボーカル。ボーカルのエンヴィーはキーボードもできる。
珍しいことに、ロックバンドなのにギターがいない。
ギターは、念力で鳴らしています(とwikiで読んだ。たぶん公式設定)。


ボーカルが主人公の元カノで、歌も元彼に遠くから愛を送る、という内容になっている。「あなたって酷い男」ってメッセージも込めながらね。
ちなみにボーカルのエンヴィーを演じているのは自身もシンガーソングライターのブリー・ラーソンです。

サウンドとしては単純な伴奏がひたすらにかっこいい曲。
和訳を載せているサイトが見つからなかった。自分で訳。それと歌詞。


Black Sheep
黒い羊

Hello again, friend of a friend, I knew you when
また会ったわね、友達の友達、知り合った時
Our common goal was waiting for the world to end
私もあなたも世界が終わるのを待っていたわ
Now that the truth is just a rule that you can bend
今や真実は、あなたが好きに曲げられるルール
You crack the whip, shapeshifting trick, the past again
あなたが鞭を鳴らすと、形が変わる仕掛け、また昔のように

i'll send you my love on a wire
電線で私の愛を送るわ
Lift you up, everytime, everyone, ooo, pulls away, ooo
From you
いつも、誰もが、あなたを、おだてるのでしょうね
あなたから遠く離れて

Got balls of steel, got an automobile, for a minimum wage
度胸あるよね、一番安く自動車を手に入れる方法よね
Got real estate, I'm buying it all up in outerspace
不動産も。私が外宇宙で買って貢いだのよ
Now that the truth is just a rule that you can bend
今や真実は、あなたが好きに曲げられるルール
You crack the whip, shapeshifting trick, the past again
あなたが鞭を鳴らすと、形が変わる仕掛け、また昔のように

I'll send you my love on a wire
電線で私の愛を送るわ
Lift you up, everytime, everyone, ooo, pulls away, oo
いつも、誰もがあなたを、愛するのでしょうね、あなたから遠く離れて
Mechanical bull, the number one
機械仕掛けの牛が、あなたには一番良いんじゃないかしら
You'll take a ride from anyone, everyone wants a ride,
上に乗れれば誰だって良いんでしょうし、誰もがあなたを乗せたがるわ
pulls away, oooh from you
あなたから遠く離れて




あなたは私に貢がせてひどい男だった。車に乗せたり家に泊めたり。
あなたが鞭を鳴らすと、私はすぐ昔のようにあなたに従順になってしまいそう。
あなたのことは好きよ、でも、だから、遠くから愛するわ。電線で愛を送りましょう。あなたから遠く離れて。
私だけじゃなく、みんながそうするでしょう、あなたは尊敬されるでしょう、みんな尊敬するでしょう(そうされればあなたは満足なんでしょう)、あなたから遠く離れて。

元カノからのラブソング。かっこいい……。

題名のblack sheepは何の象徴だろうか。
私はもう、平凡な白い羊じゃないわ。あなたが鞭を鳴らしても、あなたの言うとおりに貢いだりしないんだからね。
ってことかな、と。


さて、映画でお気に入りなのは、コートを預かって床にどさっと置くシーンとか、妹が「ごめんね、うちの兄貴、どうしようもないバカで」って言うシーンとか。
ステーシーとキムが好き。
「じゃあキムとのコトは?」「キムとは今じゃ良い友達だ」って言うスコットをキムがすごい目で見てるとこも好きだなー。

漫画版だと昔の同級生の家に泊まりに行くシーンかな。

夜中に彼女と喧嘩して、家はゲイの同居人が男を連れ込んでいるのでカナダの冬で帰るところが無いスコット。
ついこの前再会した高校の時の同級生から、連絡先を貰ってたのを思い出す。今夜泊めてくれない? って電話する。

「ショッピングモールで久し振りに会った日の事だけど、あの日は洗濯中だったのよ」
「洗濯?」
「服を全部洗濯してたからあんなバカみたいなワンピしかなくて…自分でもどうかと思ってたけどあなたはガン見してくれてた…だからあれからあたし…」
「もしかしていつも着ないセクシーな服をオレのために着てたってコト?」
「うん…そういうコト」
「じゃあ今もセクシー仕様なワケか!ラッキー!」
「もう、バカね。これはただの寝間着」
「そう」
「ウソよウソ。ホント言うと電話もらってから着替えたの。もうやだ売春婦みたい」

って所ね。

なんで彼女と喧嘩したのか聞かれて、主人公が、
「アイツさ、俺たちに何かあるか、何かあったとおもってんだ。なにもないのに…だよな?」
膝を抱いてか細い声で
「あればよかったのに……」
しおらしくこっちを見つめてもう一度言う、
「あればよかった」


クレージーな漫画だと思ってたけど読み返してると案外これラブコメですね、女子に人気なのも納得。



This town ain't big enough for the both of us/Sparks この街は俺達二人には狭すぎる

Sparksというバンドの名曲で「This town ain't big enough for the both of us」という長いタイトルの歌がある。
1974年の曲。
日本には当時「ディス・タウン」として紹介されたらしい。
アメリカ出身のバンドだがアメリカのバンドとは思えない。
イギリスとかオランダ、ドイツ出身と言われた方が信じるね。実際イギリスに移ってそちらで名声を得たそうだ。
ちなみに「Kimono my house」とかいう曲も有る。

この歌は謎な雰囲気、謎な歌詞、口語的な表現で一見何を歌っているかわかりにくいが、とにかく「この街は俺達二人には狭すぎる」、つまり俺とお前は不倶戴天の敵である、と言いたいことがわかる。
顔を合わせたらすぐ決闘、という、西部劇のような台詞(途中で銃声みたいな音も鳴る)。
西部劇と言えばトイ・ストーリーのウッディが、「この町は俺たち2人が住むには狭すぎるぜ!」と決め台詞で喋るのはこの曲のパクリなんだろうか。
あるいは何らかの昔から有る決め台詞なのか?
わからない。
和訳。




この街は俺達二人には狭すぎる


Zoo time, is she and you time?
The mammals are your favourite type, and you want her tonight
Heartbeat, increasing heartbeat
You hear the thunder of stampeding rhinos, elephants and tacky tigers
This town ain't big enough for the both of us
And it ain't me who's gonna leave

動物園でお前とあの子は二人きり
お前の好みは哺乳類、中でもあの子を今夜落とそうと必死
高鳴る胸 速まる鼓動
お前の顔に腹を空かせた、サイや象や虎を突っ込ませてやりたい!
この街は俺達二人には狭すぎる
出ていくのは俺の方じゃない

Flying, domestic flying
And when the stewardess is near do not show any fear
Heartbeat, increasing heartbeat
You are a khaki-coloured bombardier, it's Hiroshima that you're nearing
This town ain't big enough for both of us
And it ain't me who's gonna leave

飛行、それも国内飛行だぜ
飛行機が怖いのに可愛いスチュワーデスが近くにいるからお前は必死で平気な振り
高鳴る胸 速まる鼓動
貴様をカーキ色した爆撃機に縛り付けて広島に突っ込ませてやる!
この街は俺達二人には狭すぎる
そして出ていくのは俺の方じゃない

Daily, except for Sunday
You dawdle in to the cafe where you meet her each day
Heartbeat, increasing heartbeat
As twenty cannibals have hold of you, they need their protein just like you do
This town ain't big enough for the both of us
And it ain't me who's gonna leave
毎日、日曜以外は、
お前はあの子と会うためにカフェで過ごしてコーヒーを啜る
高鳴る胸 速まる鼓動
20人の人食い族がお前を捕まえて、脳味噌を啜りたいそうだぜ!
この街は俺達二人には狭すぎる!
そして出ていくのは俺の方じゃない!

Shower, another shower
You've got to look your best for her and be clean everywhere
Heartbeat, increasing heartbeat
The rain is pouring on the foreign town, the bullets cannot cut you down
This town ain't big enough for the both of us
And it ain't me who's gonna leave
シャワー、もう一度シャワー
あの子の所に行く前に貴様は精々見映えを良くして、全身隅々まで綺麗にしようとする
高鳴る胸 速まる鼓動
異国に降る雨の中で、お前に注ぐ弾丸はお前を楽には死なせないぜ!
この街は俺達二人には狭すぎる
出ていくのは俺の方じゃない

Census, the latest census
There'll be more girls who live in town though not enough to go round
Heartbeat, increasing heartbeat
You know that this town isn't big enough, not big enough for both of us
This town isn't big enough, not big enough for both of us
I ain't gonna leave
統計、最近の人口統計じゃ
この街に女は増えてるらしいが、この界隈にはそんなに見ないよな
高鳴る胸 速まる鼓動
わかるだろう、この街は俺達二人には狭すぎる
この街は俺達二人には狭すぎる
この街は俺達二人には狭すぎる
そして出ていくのは俺の方じゃない




どこから出てるかわからんような柔らかい声で歌うラッセルの歌声が好き。短い曲のなかに散りばめられた、まるで舞台のような演出も。
歌詞の内容はかっこいい。
かっこいいようでよく聞くと下らない。というオチになってるの、わかる?
良い思いをしている相手の邪魔(する荒唐無稽な妄想)をして「この街は俺達二人には狭すぎるぜ」って。
お前が女の子と会ってるのが我慢ならない、って、男のするべき嫉妬かよ。
しかも「この街に女は多いらしいが俺の周りじゃあんまり見ないぜ」って、多分だけど、君はそのライバル君にはライバルだって思われてないよ!

主人公の言ってることが妄想だって視点に立ったレビューが見当たらないことが気になっていました。
相手は街の人気者で、たぶん主人公はナード。
その空回り感はサウンドでもよく表現されていると思う。
まあ普通にライバルに挑戦する曲として聴いてもかっこいいんだけど……。
主人公がモリアーティ教授ばりの大物ヴィランだとしたら成立するね。

独特の言語感覚。
恋の場面で高鳴る胸音が、歌い手の嫉妬の炎やライバルの危険の認識とも重なっていく構成も面白い。


ところでこの曲はキックアスの挿入歌として知った。
あの映画は音楽の選び方が本当に良い。ここはこの曲しかないという放り込み方をしてくる。
スタッフに神が混じってるんだと思う。有名な、バナナ・スプリットといい、ハレルヤといい。

劇中、まさにナードの主人公が、突然登場した人気者のアイツを、勝手にライバル認定したその瞬間に流れる曲がこれ。
凄いよね。
キックアスの続編の映画は悪くないんだけど選曲は駄目だったね。

スージーアンドザバンシーズの女声カバーがあるけど、ラッセルの声の方が女っぽくてかつ色っぽいよね。

以上。

Yellow Claw - Love & War (feat. Yade Lauren)

Yellow Claw - Love & War (feat. Yade Lauren)
恋と戦争
日本語訳

Cut me through my skin
Through the heart, yeah, you went right in
I fell for every word you said
あなたは私の肌を切り裂いて
心臓の奥まで、そう正しく辿り着いた
その時貴方の話す言葉総てに 私は夢中になった

I come here but I can't stay
I don't know, I don't know, I don't know
Why some things have to be this way
あなたのところに来たけど、いつもずっとは留まることができない
わからない、
どうしてこうなってしまうのか

We build it up, build it up to break it down
And then we're lost until we're found
And when we're high further from the crown
If all is fair in love and war
I can't do this anymore
If all is fair in love and war
I can't do this anymore
私たちは関係を築いて、築いてそれを壊す
私たちは別れては 互いにまた出会う
その時に高く舞い上がるほど幸せになる、天より高く
恋と戦争では全てが合法なら
こんなこと続けちゃいられない
恋と戦争では全てが合法なら
こんなこと続けちゃ居られないわ

So unfair, so unfair, so unfair to me
So unfair, so unfair, so unfair to me
フェアじゃない、フェアじゃない、フェアじゃないのよ、私には

You told me from the start
Nothing could tear us apart
Now when I look I see a stranger
あなたは最初に言ったよね、出会ったときに
なにものも私たちを分かたないって
でも今は まるで他人と会っているみたいだわ

I come here but I can't stay
I don't know, I don't know, I don't know
Why some things have to end this way
幸せを得てもそこに留まることができない
理解できない
どうして幸せな時をこんな風に終わらなければいけないの

We build it up, build it up to break it down
And then we're lost until we're found
And when we're high further from the crown
If all is fair in love and war
I can't do this anymore
If all is fair in love and war
I can't do this anymore
関係を育んでは喧嘩で台無しにして
喧嘩してはまた仲直り
その時に天高く舞い上がるほど幸せになる
恋と戦争では全てが合法なら
こんなこと続けちゃいられない
恋と戦争では全てが合法なら
こんなこと続けちゃ居られないわ
So unfair, so unfair, so unfair to me
So unfair, so unfair, so unfair to me
フェアじゃない、フェアじゃない、フェアじゃないのよ、私には

Yellow clawはオランダのグループで、割と複雑でかっこいい曲が多いのですけど、これは2016年くらいの曲でシンプルでキャッチーですが、比較的人気は無いのかもしれません…。
「恋と戦争の間で」という邦訳は間違っていて、歌詞は「all is fair in love and war: 恋と戦争に禁じ手無し」を受けた表現なのです。
恋の駆け引きと戦争では何をしても許される、って意味です。

私の気を引くためにいちゃもんつけて喧嘩したり、卑怯な手を使いやがって。
恋と戦争に禁じ手無しか何か知らないけど、そんなこと、フェアじゃない、禁じ手なのよ。そんなことばっかりしてたら見捨てちゃうからね!
という曲ですね。

好きなのは、
築き上げては壊し、別れてはまた出会う……というところ。
こんなことはもうやってられないわ。
やっと無益だと気づいたか。と私などは呆れ果てるばかりである。

だがここを見てディラン・トマスの「And death shall have no dominion(そして死は覇者にあらず)」の前半部分が私には思い出された。
Though they go mad they shall be sane,
Though they sink through the sea they shall rise again;
狂った者は、正気にかえる。海に沈んだ者も、また浮かび上がる。

かっこいい対句的な表現です。

因みに一番と二番のAメロの歌詞の位置付けは、一番では仲の良かった過去の話をしていて、二番では「今じゃあなたってまるでただの他人みたいだわ」って、そう言ってる事からは、今みたいに「こんなことやってられないわ」と怒ってる事自体、「関係を築き上げてはまた壊す」の枠組みの中に入ってることがわかる。
また後々仲直りするんだろうなとわかるので、ニヤリとしてしまうという訳。
意外と多重構造になっていて良いなと思わせる歌詞でした。

Raua needmine/Curse upon Iron/鉄への呪い 全訳

Veljo Tormis(ヴェリヨ・トルミス)というエストニアの作曲家が居る。いや居た。今年の一月に亡くなったのだ。
めちゃくちゃかっこいい合唱曲を沢山書いている。
エストニア民謡風の曲が多い。
いやエストニア民謡風がどんなのか知らないが、「エストニア民謡はこんなのなんだよ」と言われたら、そうかなという感じがする。
彼自身は「私が民謡を利用するのではない、民謡が私を利用するのだ」と言ったらしい。
Orphei Drangerが歌った「古代の海の歌」が個人的には好きだが、再演の機会が多いのは「鉄への呪い」だろう。シャーマンドラムの伴奏で演奏される。Orpheiの演奏が好きでアルバムも持ってるが、ネットには上がっていなかった。

https://youtu.be/Rn8N3tOybrM
↑かっこいい混声版の動画

https://youtu.be/sXcup1ZsJXA
↑アホやろとしか言いようがないロック版の動画
短く編曲されているみたいです

何を歌ってるのか知りたいので、日本語訳を探したけど、見つかりませんでした。
しかし、英語の対訳が見つかったので、そこから日本語に訳した。ので、記念に載せます。
曲を知っていた人も「ああ、こんな事言ってたんだ」と思いながら聴いていただければよいのではないかと。混声版の方を。
当然歌う人も、何を歌っているのかわかって歌った方が良いんじゃないですか、知らんけど。
例えば柔らかく歌うところと激しく歌うべき所とが有るので。鉄が溶鉱炉の中で液体になっている場面と武器になって人を殺している場面とが有るのでね。



Raua needmine
Curse upon Iron
鉄への呪い

Ohoi sinda, rauda raiska,
Ohoi cursed, evil iron!
おお呪われし、邪悪なる鉄
rauda raiska, rähka kurja,
Ohoi evil, cursed iron!
おお邪悪なる呪われた鉄
liha sööja, luu pureja,
Flesh consuming, bone devouring,
肉を削ぎ骨を食い荒らし
vere süütuma valaja!
Spilling blood, devouring virtue!
血を溢れさせ、美徳を蝕む
Kust said kurja, kange’eksi,
Whither comes your cruel cunning,
お前の冷酷な邪悪さはいずこより来たるか
üleliia ülbe’eksi?
Haughtiness so overbearing?
その横柄な傲慢さは

Hurjuh sinda, rauda raiska!
Fie upon you, evil iron!
おお呪われよ、邪悪なる鉄よ
Tean ma sündi su sõgeda,
Your beginnings reek of malice.
お前のはじまりは悪徳に取りつく臭気
arvan algust su õela!
You have risen from villainy.
お前は悪業より生まれ来る

Käisid kolme ilmaneitsit,
From above the earth appeared
この地上に生まれたときより
taeva tütarta tulista,
Fiery maidens in the heavens,
天にいた火の乙女たちが
lüpsid maale rindasida,
Heavily with milk a-laden,
豊潤な乳房から
soo pääle piimasida.
Spilling milk upon the marshes.
ミルクを湿地に溢した時に
Üks see lüpsis musta piima,
Black, the liquid from one maiden,
一人の乙女からのみ黒い液体が落ちて
sest sai rauda pehme’eda;
Turning into ductile iron.
鋳鉄へと変わった
teine valgeta valasi,
White milk flowing from the other,
他の乙女からは白いミルクが
sellest tehtud on teraksed;
Tempered steel from this arising.
焼きしめられた鉄はかくして出来た
kolmas see veripunasta,
From the third a crimson liquid,
三番目の乙女からの紅の液体は
sellest malmi ilma tulnud.
Cursed, rusty ore created.
呪われた錆びた鉄となった

Ohoi sinda, rauda raiska,
Ohoi cursed, evil iron!
おお呪われた邪悪な鉄
rauda raiska, rähka kurja!
Ohoi evil, cursed iron!
おお邪悪なる呪われた鉄
Ei sa siis veel suuri olnud,
Then you were not high and mighty,
鉄よお前はその頃高き存在でもなければ力強くもなかった
ei veel suuri, ei veel uhke,
Not so mighty, not so haughty,
力強くもなければ高くもなかった
kui sind soossa solguteldi,
When you slumbered in the swampland
沼地でお前が眠りについていた時は
vedelassa väntsuteldi.
When you suffered in the marshes.
湿地でお前が苦しんでいた時は

Hurjuh sinda, rauda raiska!
Fie upon you, evil iron!
おお呪われよ、邪悪なる鉄よ
Tean ma sündi su sõgeda,
Your beginnings reek of malice.
お前のはじまりは悪徳に取りつく臭気
arvan algust su õela!
You have risen from villainy.
お前は悪業より生まれ来る

Susi jooksis sooda mööda,
Then a wolf came running hither,
一匹の狼がこちらに走り来て
karu kõmberdas rabassa,
Bear a-rambling over younder.
熊が離れたところを彷徨いている
soo tõusis soe jalusta,
Footprints stirring in the swampland,
沼地でかき混ぜられた足跡は
raba karu käpa alta.
Traces from the swamp arising
沼地が始まって以来の足跡が
Kasvid raudased orased,
Giving rise to iron seedlings
鉄の系図のはじまりとなった
soe jalgade jälile,
In the shadows of the wolf prints
狼の足跡の影の中で
karu käppade kohale.
In the traces of the bear tracks.
熊が通っていった痕跡の中で。

Ohoi rauda, laukalapsi,
Ohoi wretched child of bogland,
おお、惨めな沼地の産物は
rabarooste, pehmepiima!
Born of rust and milk of maidens!
錆と乙女の乳から生まれた
Kes su küll vihalle käskis,
Tell me who made you so angry!
誰がお前をそうも癇性にしたのか
kes pani pahalle tööle?
Who set you to evil doings?
誰がお前に悪行を教えたのか?

Surma sõitis sooda mööda,
Death came riding through the marshes,
死がその沼地から乗り来たった
taudi talveteeda mööda,
Plague along the wintry byways,
寒い間道から疫病がやってきた
leidis soost terakse taime,
Finding seedling steel in swampland
沼地で見られた鉄の苗木は
raua rooste lauka’alta.
Rusty iron in a boghole.
窪みに溜まった錆びた鉄

Nii kõneles suurisurma,
Then great death began to utter,
そして偉大なる死神が囁き始めた
taudi tappaja tähendas:
Killer plague began intoning,
人殺しの疫病が歌いだした

mäe alla männikussa,
In a pinegrove on a hillside,
山腹の松の木立の中で
põllulla küla päralla,
In a field behind the village,
村の裏の草原で
talu aitade tagana:
Far beyond the farmer’s granges.
農夫の農場からは遠く離れて
siin saab surma sepipada,
Here will be the fateful forging!
やあこれは運命的なる鍛練
siia ahju ma asetan,
Here a furnace I will fashion,
我ここに溶鉱炉を作らん
siia tõstan lõõtsad laiad,
Mighty fanning bellows anchor!
力強く火を煽るふいごを作らん!
hakkan rauda keetamaie,
Here I’ll set the iron boiling!
ここにて我は鉄を溶かさん!
raua roostet lõõtsumaie,
Blast the rusty ore to flaming!
錆びた鉄を炎に放り込め!
rauda tampima tigedaks.
Pound the iron full of fury!
その鉄を憤怒を滾らせて打て!

Rauda, vaene mees, värises,
Iron quaked and iron quivered,
鉄は揺らされ鉄は震えて
jo värises, jo võbises,
Quaked and quivered, tossed and trembled,
揺らされ震えて上下し痙攣し……

kuulis kui tule nimeda,
When he heard the call for fire,
炎の呼び声が鳴ったときには
tule kurja kutsumista.
Heard the iron’s angry summons.
鉄の怒りが呼び出されたのを聞く……

Ohoi sinda, rauda raiska!
Ohoi cursed, evil iron!
おお呪われし、邪悪なる鉄よ
Ei sa siis veel suuri olnud,
Then you were not high and mighty,
お前は高くも力強くもなかったのに
ei veel suuri, ei veel uhke,
Not so mighty, not so haughty!
力強くも高くもなかったのに
kui sa ääsilla ägasid,
Moaning in the blazing furnace,
焼ける釜で苦しみ呻いていた間は
vingusid vasara alla.
Whining under beating anvils.
金床で叩かれて泣いていた頃は

Taat see ahjulta ärises,
Droned the old man on the oven
老人が釜の前で物憂げに唸った時
halliparda vommi päälta:
Groaned the greybeard from the furnace:
灰色の髭の男が釜の所から唸り声を上げると

Rauda rasvana venikse,
Iron stretches out like tallow,
鉄は獣の脂のように伸び上がり
ila kombel valgunekse,
Dripping down like oozing spittle,
湧き出る唾のように滴り落ちて
veerdes alla ääsi’ilta,
Flowing from the blazing furnace,
燃え盛る釜の中を流れ動いて
voolates valutulesta.
Seeping from the scalding fire.
火傷するような炎を浸透させて
Veel sa rauda pehmekene,
Yet the iron, soft and gentle,
今や鉄は柔らかく優しく
miska sind karastatakse,
Must be toughened, must be tempered,
必ず強くなるだろう、焼きしめられて
terakseksi tehtanekse?
Turned into steel defiant.
攻撃的な鉄へと変わるだろう
Toodi ussilta ilada,
Get the spittle from a serpent!
蛇の唾のように変わって
musta maolta mürgikesta.
Bring the venom from a viper!
毒蛇の毒素をも得るだろう

Ei see raud kuri olekski,
Iron would not harbour evil,
ああ鉄は悪意を抱くまいに
ilma usside ilata,
If it had no serpent spittle
もし蛇の唾となったのでないならば
mao musta mürkideta.
Had no murky viper venom.
恥ずべき蛇毒を得たのでないならば!

Taat see ahjulta ärises,
Droned the old man on the oven,
老人が釜の前で物憂げに唸った時!
halliparda vommi päälta:
Groaned the greybeard from the furnace:
灰色の髭の男が釜の所から唸り声を上げると!

Varja nüüd vägeva Looja,
Shelter us, Supreme Creator!
大いなる造物主よ我らを守りたまえ!
kaitse kaunike Jumala,
Grant us safety, God Almighty,
全能なる神よ我らを庇護したまえ
et ei kaoks see mees koguni,
so that mankind will not perish,
人類が滅びる事のないように
hoopistükkis ema lapsi
Future children be protected
未来の子供たちを守るために
Looja loodusta elusta,
From destruction,
破滅から守りたまえ
Jumala alustatusta.
From extinction.
絶滅から守りたまえ

Uued ajad. Uued jumalad.
Changing eras, modern deities.
時代が変わり現代の神々が現れる
Kahurid, lennukid,
Cannons, airplanes,
それは大砲、戦闘機、
tankid, kuulipildujad.
Tanks, armed warfare.
戦車、武装した軍隊だ
Uus raud ja teras,
New steel and iron,
新たな鋼と鉄は
uhiuued targad,
Transformed into precise
まさにその姿を変えてしまった
täpsed, vägevad tapjad,
Evil, powerful killers
邪悪で強力な殺戮者に
automaatsete sihtimisseadmetega
Armed with automated guiding devices,
自動化された補助装置によって武装した
tuumalaengut kandvad,
Armed with nuclear warheads
核弾頭によって武装した
tõrjerelvadele kättesaamatud raketid.
Useless against all defences
どんな守りも役に立たない殺戮者に。

Noad, odad,
Knives, spears,
刃物に槍や
kirved, taprid, saablid,
Axes, halberds, sabres,
斧や矛やサーベル
lingud, tomahawkid, bumerangid,
Slings, tomahawks, boomerangs,
投石機、石斧、ブーメラン
ammud, nooled, kivid, kaikad,
Bows and arrows, rocks and clubs,
弓と矢、岩と棍棒
küuned, hambad, liiv ja sool,
Claws and teeth, sand and salt,
爪と歯、砂と塩
tuhk ja tõrv, napalm ja süsi.
Dust and tar, napalm and coal.
塵とタール、ナパームと石炭。
Uus ja kõige kaasaegsem tehnika,
Innovations, far-reaching, technical,
技術の革新は広範囲に及び
elektroonika viimane sõna,
Electronic, ultimate,
電気的で、究極的で、
valmis liikuma igasse punkti,
Ready to fly in any direction,
どの方向にも飛んでいくことができ、
kõrvalekaldumatult sihti tabama,
Stay undeflected, striking target forcefully.
それは弾道を歪められることなく、力強く目標を貫く!
peatama, rivist välja lööma,
Annihilate, knocking out of action,
全滅させる!打ち倒して動かなくする!
hävitama,
Obliterate,
この世から消し去る!
võitlusvõimetuks tegema,
Render hopelessly impotent,
絶望と無力を与え
haavama, teadmata kaotama,
Killing, killing, with steel and iron!
鋼と鉄をもて殺す、殺す!
tapma, tapma, raua, terase,
Killing, steel and iron, chromium,
鋼と鉄とクロムが殺す!
kroomi, titaani, uraani, plutooniumi
Titanium, uranium, plutonium and
チタンとウランプルトニウム
ja paljude teiste elementidega.
Multitudes of elements.
その他数多の元素たちが!!

Ohoi sinda, rauda kurja,
Ohoi cursed, evil iron!
おお呪われた邪悪なる鉄よ!
mõõka sõja sünnitaja,
Sword, begetter of all warfare!
剣よ、全てのいくさの父よ!
rauda rähka, kulda kilpi,
Golden guardian of the swamp ore,
沼地の鉱物の黄金の守護者
sina teras, nurja tõugu!
Steel that’s kith and kin to evil.
鉄とその邪悪な親類知人の。
Hurjuh sinda, rauda raiska,
Fie upon you, evil iron!
おお呪われよ、邪悪なる鉄よ
Oleme ühesta soosta,
You and I are from the same seed,
だがお前と私は同じ源から来ただろう
ühest seemnest me siginud,
From the same earth we have sprouted.
いずれも同じこの大地に芽吹いた
sina maasta, mina maasta,
From the same good soil we harken,
同じ良き土壌から、そうだろう、
musta mulda me mõlemad,
You and I, we share this planet,
お前と私はこの惑星を分かち合う
ühe maa pääl me elame,
Bound to share the earth together,
大地を分かち合うように生まれてきた
ühe maa sees kokku saame,
Earth that will us all recover,
我々皆を癒す大地を
maad meil küllalt siis mõlemal.
Earth enough for all, forever.
我ら全てを、永遠に癒す大地を。




後記
・歌詞を見ながら聴いても、初見ではどこを歌ってるのか見失う。
・民謡風に始まり、沼地の神話のような節を経て、途中から飛行機や核弾頭に対する呪詛を唱えて始める、というのが肝の曲だったらしい。
・ハカラダケタマエ、ハカラダケタマエ……ってやたら印象に残っているけど、鉄ないしは鍛冶職人が「ここにて我は鉄を溶かさん!」と宣言していた所だったらしい。
・あと、クロム、チタン、ウランプルトニウム、って、7分46秒くらいの音階のぼっていくところで歌ってるんですけどこれあれじゃないですか、「水銀、コバルト、カドミウム」を彷彿とさせる。

以上です。

Stay / ZEDD feat. Alessia Cara

好きな曲とかを紹介します。

ドイツのDJ ZEDDとカナダの歌手Alessia Caraの曲。2017年。youtubeのpvは各自検索頂きたい。
音階練習のような異様なハミングと時計の動きを思わせるキャッチーなサビが魅力的。
すがるような歌詞。Aメロが違うので簡単な言葉で絞り出すように歌われるサビの意味が、一番と二番でほとんど同じ単語なのに全く変わる。
それがこの曲の歌詞の面白さだと思うけれど、それを分析している文章が少なくとも日本語では見当たらなかったので、ここに記す。

対訳

Waiting for the time to pass you by
あなたに時間が流れるのを待っている
Hope the winds of change will change your mind
変化の風が君の気持ちを変えてくれればいいと望みながら
I could give a thousand reasons why
そうなる理由は何千個も思いつく
And I know you, and you've got to
わかってるわ、ほらもうそうなったでしょう

Make it on your own, but we don't have to grow up
全部あなた一人で解決するから私たちは成長しなくてよかった
We can stay forever young
いつまでも若いままでいられた
Living on my sofa
ソファーで過ごし
Drinking rum and cola
ラムコークを飲む
Underneath the rising sun
朝日が昇っても
I could give a thousand reasons why
理由は何千個も思いつく
And I know you, and you've got to
きっとそうなる、ほらもうそうなったでしょう

All you have to do is stay a minute
ただ望むことは 待ってくれ 一分でも良い
Just take your time
少しだけ 考え直してくれ
The clock is ticking, so stay
心が変わるかもしれないだろう、だから待ってくれ
All you have to is wait a second
ただ望むことは 待ってくれ 一秒だけでいい
Your hands on mine
私の手を握ってほしい
The clock is ticking, so stay
時計が動いている、だから待ってくれ

All you have to do is
All you have to do is stay
ただ望むことは
ただ望むことは そばにいて

Won't admit what I already know
認めたくないけどもうわかっていた
I've never been the best at letting go
忘れる覚悟なんてできはしない
I don't wanna spend the night alone
夜を独りで過ごしたくはない
Guess I need you, and I need to
きっと私にはあなたが必要なのよ 私には

Make it on my own, but I don't wanna grow up
全部私一人で解決するから私たちは成長しなくていい
We can stay forever young
いつまでも若いままでいられるわ
Living on my sofa
ソファーで過ごし
Drinking rum and cola
ラムコークを飲む
Underneath the rising sun
朝日が昇っても
I could give a million reasons why
理由は何百万個も思いつく
And I know you, and you've got to
きっとそうなる、ほらもうそうなったでしょう

All you have to do is stay a minute
ただ望むことは そばにいて あと一分でいい
Just take your time
少しだけあなたの時間を分けて
The clock is ticking, so stay
時間が過ぎていく、でもそばにいて
All you have to is wait a second
お願いだから待って 一秒でもいい
Your hands on mine
私の手を握って
The clock is ticking, so stay
時計が動いているけれど、でもそばにいて

All you have to do is
All you have to do is stay
ただ望むことは
そばに居てくれるだけでいい


いきなりフラれたところから始まるが一番は自信満々に見える。
時間が経ちさえすれば心変わりするわ。心変わりする理由は1000個有る。私はわかってるのよ、ほらもう心変わりしたでしょ?
(reason whyのあとに省略されてるのは「あなたの心が変わる」って事だと考えました)
あなたが自分で何でもするから、私たちは成長せずに、ずっと若いまま、ラムコーク(キューバリブレ)を朝まで飲んでいられたね。

だから、サビでは、「ちょっと待ってくれよ、それだけで私を捨てるのは間違ってるって気づくでしょ。ちょっと時間を使って、頭を冷やして考え直してよ」って言ってる。切れ切れの歌い方も、「困惑し、戸惑いながら、」歌ってる。ただちょっと考え直してよ、って。

二番の直前辺りから雲行きが怪しくなる。
認めたくないけどわかってた、私は夜を一人で過ごしたくはない。私にはあなたが必要なのよ。
一番で上から目線だった彼女が下手に出始めている。別れ話が本気だと気づいたのだ。

何でも私がやってあげるから、あなたは成長しなくていいの。私のソファーでラムコークを飲んでいれば良いのよ。
make it on your ownからmake it on my ownに変わるだけで「あなたは頼りになるやつだよね」から「私が何でもしてあげる」になっているのがわかる。
だから同じ歌詞でも今度は意味が変わる。
「せめて、立ち去る前に少しだけそばにいて。一分でも良い。今晩だけでも一緒に過ごしてほしい。あなたの時間を分けて。」
現実的に心変わりに期待できないことに気付いている。「他のことはいいからただそばにいて」と、切れ切れと、泣きながら、すがりつくようにして、歌っている。
同じ歌詞が二通りの意味に聞こえる。これがこの曲の一番のポイントだと私は思う。
以上です。